何となくパロディーなSF映画


タイトル:未来世紀ブラジル
ジャンル:SF
製作国:イギリス・アメリカ
製作年:1985年
放映時間:143分
監督:テリー・ギリアム
主演:ジョナサン・プライス
評価:★3.5(満点★5)

映画館で観る事ができずに残念だったのですが、レーザーディスクで買いました。

あまりにも内容が面白くて、結局50回以上は観たと思います。

近未来のどこの国か特定されていない町で、主人公は巨大官僚組織で記録を専門とする役人の一人です。

町では、反政府勢力が頻繁に爆弾テロを行い、政府はそれを取り締まるために情報剥奪局という巨大組織を作り、国家全体を法律でがんじがらめにして、世界が閉塞感に満ちあふれている、というシチュエーションです。

主人公は、ある日恋人となるべき人の夢を見るのですが、仕事で訪れたアパートの隣人がその女性そのものだった事がわかり、恋を成就させようと必死になります。

本来は希望していなかったのですが、彼女の情報が欲しくて、彼は母親のコネで、その国家の最高権力部局である情報剥奪局へと転属しました。

本来、花形エリートとして人生が約束されるはずなのに、先の恋を成就させようとする度に、官僚機構から首を絞められる展開となっていき、最後はその同じ組織そのものに取り締まられ、彼女もろとも社会から葬り去られてしまう、というストーリーです。

原題は「ブラジル」というタイトルで、全編通じてサンバで有名な曲が流れるのですが、町は西洋の近未来。

その光景のあちこちに、官僚社会が招く矛盾がさりげなく描かれていて、吹き出すところも結構ありました。

ダクト修理を請け負うヤミ業者の役を、ロバートデニーロがやっているというのは驚きでしたね。

印象に残るのは、貧しい地区の子供達はアサルトライフルのモデルガンを使って無邪気に遊んでいるシーン。

一人の頭からすっぽり布をかぶせた状態で、何人かの子供が先の銃を構えて取り締まる、という、いわゆる「ごっこ」遊びですが、シュールな感じがする反面、原題でも通じる不気味さを感じます。

金持ちの母親が、整形する度に顔がボロボロになっていくシーンもインパクトがあります。

それにしても、官僚機構で押しつぶされそうな世界とは、まさに日本のそれを彷彿とさせるものです。

最後のオチがアンハッピーで終わるこの映画、パロディー系としてもいいはずなのに、捨てがたい秀作だと思います。

    コメントを残す

    CAPTCHA